「僕はオーバークロックで世界一にならなければいけないらしい」

音大生・一ノ瀬奏（いちのせ かなで）は、根っからの草食系ダメ男。家も金持ち、性格も温厚ではあるのだが、コンクールにも就職にも情熱を燃やすことができず、やる気人間ばかりの音大の内部では孤立していた。人と争ってまで何かを得たいと思えない…でも夢がなきゃいけないのかよ!?
誰か僕に「やる気スイッチ埋め込んでくれ！」

そんな奏が偶然出会った美女・ハナ。ボロいアパートの前で一人涙を流す彼女を見、かすかな予感を抱く奏。もしかして僕は、彼女のためなら変われるかもしれない…

しかしハナは普通の女の子ではなかった。オーバークロック…それを世界で競う男・MIKEのパートナーとして、日夜奴隷のように尽くすのだった。「オーバークロックとはパソコンを普通より速く動かすことです！」液体窒素やドライアイスを使い、パソコンを冷やす二人。ハナはMIKEの彼女ではない。けれど彼を一番にする事が、彼女の一番大事なこと。それなら…

「僕が一番になったら、彼と別れて僕と組んでくれますか!?」
それが何もわからないまま、奏は彼女に近づくため、オーバークロックの世界に飛び込んでいく。

…でもオーバークロックって結局、何？

秋葉原でキャバ嬢オーバークロッカー・ジュリアに出会ったことで、巻き込まれ体質を発揮し、彼女のパートナーにされてしまう奏。パートナーを組んで、OCと3Dシューティングゲームを組み合わせた大会に出場することになる

一方、困窮するOC生活に疲れてきたハナは、得意のOCで賞金を稼げる大会のチラシを発見。嫌がるMIKEについにキレて、出場を認めさせる。ところがそれは、奏たちも出場する大会だった！

ジュリアの元カレや双子オーバークロッカーなど、濃いキャラクターの面々が続々登場する２巻！